あんただれぇ? 読み物

あんただれぇ?ができるまで
部品を組み合わせて「キモかわ」な生き物を作った話

あんただれぇ?は、ちゃぶ台ゲームズの 4 本目のゲームです。もとにしたカードゲームのこと、毎回ちがう生き物が出るしくみ、早押しの判定を人に任せた理由など、作りながら決めたことを書きました。

あんただれぇ?は、カードゲーム「ナンジャモンジャ」のルールのしくみを参考にして作った個人の作品です。ナンジャモンジャの作者・販売元とは関係ありません。ゲーム名と生き物の絵は、すべてこのサイトのオリジナルです。

もとにしたのは、名前をつけて叫ぶカードゲーム

ナンジャモンジャは、山札から出てくるふしぎな生き物に、その場で名前をつけていくカードゲームです。同じ生き物がまた出てきたら、つけた名前を一番早く言えた人がカードをもらえます。ルールは 1 分で説明できるのに、ゲームが進むほど名前が増えて、大人も子どもも同じように言いまちがえる。そこがこのゲームのおもしろさです。

管理人は、このナンジャモンジャがかなり好きです。友だちみんなで遊んだときに、へんな名前が飛びかって、すごく盛り上がったのをよく覚えています。あの楽しさを、もっと手軽に味わえないかな。これが、あんただれぇ?を作ったきっかけです。

ちゃぶ台ゲームズは、「1 台のスマホやタブレットを、みんなで囲んで遊ぶ」ゲームを置いているサイトです。名前を声に出して言い合うこの遊びは、画面を真ん中に置いて囲む形にぴったりだと考えて、4 本目に選びました。カードを持ち歩かなくても、スマホが 1 台あれば、思い立ったときにすぐ始められます。

名前と絵は、オリジナルにする

最初に決めたのは、もとのゲームの名前と生き物の絵は使わないということです。ゲームの名前や絵は、それぞれの作者や会社のものです。借りるのは「名前をつけて、また出たら叫ぶ」というルールのしくみだけにして、名前と絵は自分たちで用意することにしました。

ゲーム名は「あんただれぇ?」にしました。前に見たはずの生き物がまた出てきて、「えっと、あんた、だれだっけ?」と名前が出てこない。このゲームでいちばんよく起きる場面を、そのまま名前にしています。

毎回ちがう生き物が出るしくみ

絵を自分たちで用意するにあたって、ひとつ気になることがありました。同じ絵で何度も遊ぶと、前のゲームでつけた名前が頭に残って、新しい名前と混ざってしまうのです。

そこで、生き物を 1 枚ずつ描くのではなく、部品を組み合わせて、ゲームのたびに新しく作ることにしました。用意した部品は次のとおりです。

  • 体の形 9 種類(まる・たまご・よこ長・しかく・さんかく・おばけ・もこもこ・とげとげ・しずく)
  • 目 8 種類(ぎょろり・ちばしり・へびめ・うつろ・ひとつめ・ずれめ・たくさん・ぬいめ)
  • 口 7 種類(きば・ぎざば・ぬいあわせ・よだれ・みみまで・たてぐち・ちいさい)
  • 飾り 10 種類(なし・しょくしゅ・くものあし・きずあと・いぼ・たれる・まがりづの・けいと・めだまのえだ・ほねのて)
  • 色 12 色(血・肉・さび・からし・うぐいす・こけ・ぬま・あざ・どく・ふじ・ほね・はい)

これだけで、組み合わせは何万通りにもなります。さらに、体の輪郭は 1 体ずつ少しゆがませているので、同じ形の部品を使っても、まったく同じ生き物にはなりません。

あるゲームで出てきた 12 体の生き物と、つけた名前の一覧。緑のしずく形でよだれをたらした「おばけもち」、青緑のしかくいひとつ目の「もじゃ」、青いとげとげの「とげぞう」、灰色のさんかくの「さばのみそ煮」、黄色い目がたくさんある「部長」、角の生えた「ぺけぽこぺ」、くもの足が生えた「ヌメ太郎」など
あるゲームで出てきた 12 体と、つけた名前。結果発表の画面に、この一覧が出ます。12 体はすべて色がちがいます。

「キモかわ」と、見分けやすさ

絵の雰囲気は、管理人の希望で「キモかわ」にしました。血走った目、縫い合わせた口、たれるよだれ。少し不気味だけれど、どこか愛嬌がある生き物です。名前をつけたくなるような、くせのある顔を目指しました。一方で、こわすぎる絵は入れていません。子どもといっしょに遊べることも大事にしたかったからです。

もうひとつ大事にしたのが、ひと目で見分けられることです。早押しのゲームなので、2 体が似すぎていると、覚えていても言いまちがえてしまいます。それはそれで笑えますが、「どっちだった?」ともめる原因にもなります。そこで、1 回のゲームに出る生き物の選び方に、次の決まりを入れました。

  • 12 体はすべて別の色にする
  • どの 2 体をくらべても、形・目・口・飾りのうち 2 つ以上がちがうようにする
  • 同じ形の生き物は 2 体までにする

色がすべてちがうので、あわてていても色で見分けられます。ただ、色はどれもくすんだ色なので、「こけ」と「うぐいす」のように近い色もあります。よく見れば見分けられるけれど、あわてるとまちがえやすい。このくらいの加減が、早押しのゲームにはちょうどよいと考えています。

絵は 2 回試作して、2 回目で決まりました。今の絵はプログラムで描いていますが、いつか管理人が iPad で描いた絵に差し替えることもできるように作ってあります。

早さの判定は、人に任せる

画面で遊ぶゲームにするとき、いちばん迷ったのが「だれが一番早かったか」の決め方です。画面に早押しボタンを並べることもできますが、そうすると、名前を言うゲームではなく、ボタンを押すゲームになってしまいます。

そこで、端末はカードを出すだけにして、早さはその場にいる人どうしで決めることにしました。みんなで名前を叫んで、勝った人の名前をタップする。もとのカードゲームの遊び方に、いちばん近い形です。どちらが早いか決められないときのために、「だれももらわない」ボタンも用意しました。カードは場に残るので、だれも損をしません。

遊びやすくするための小さな工夫

作っている途中で試しに動かしてみて、困ったところを 1 つずつ直していきました。

  • 名前は必ずつける。同じ名前はつけられない。名前がないと、次に出てきたときに叫ぶものがありません。また、2 体に同じ名前がつくと、どちらのことかわからなくなります。「ヌメ」と「ぬめ」のように、ひらがなとカタカナがちがうだけの名前も、同じ名前とみなします。
  • 画面が変わった直後の 0.5 秒は、押しても反応しない。早押しの勢いで続けて画面を押すと、次の画面の同じ場所にあるボタンまで押してしまうことがありました。ほんの一瞬だけ待つようにして、押しまちがいを防いでいます。
  • 押しまちがえたら、ひとつ前に戻せる。ちがう人の名前をタップしてしまったときのために、1 枚分だけ戻れるボタンをつけました。
  • 人数は最大 9 人。名前のボタンが 3 × 3 にちょうど収まり、スマホの画面でもスクロールせずに押せる人数です。
  • 色の使い方をそろえる。このサイトでは、赤土色は「押せるボタン」にだけ使う決まりです。めくる番の人の枚数を赤土色にしたら、押せるボタンのように見えてしまったので、黒に変えました。

作ってみて

あんただれぇ?は、ルールを決めるところから公開まで、1 日で作りました。SHINOBIASHI や金銀銅を作ったときに決めた、画面の作りやボタンの名前をそのまま使えたことが大きかったと思います。

いちばん手間がかかったのは、生き物の絵です。部品の組み合わせで作ると、何万通りもの生き物が出せる代わりに、「似すぎた 2 体」も出てしまいます。どうすれば毎回、見分けやすくて、名前をつけたくなる 12 体がそろうのか。上に書いた選び方の決まりは、この調整から生まれました。

これから、いろいろな人数で遊んでもらいながら、遊びやすさを少しずつ直していく予定です。家族や友だちと画面を囲んで、へんな名前を叫び合ってもらえたらうれしいです。

楽しかったら、本物のゲームも

スマホ 1 台ですぐ遊べることは、ちゃぶ台ゲームズのいちばんの良さだと思っています。けれど、本物のカードを手に取って、1 枚ずつめくる体験は、画面の中ではどうしても味わえません。カードの手ざわりや、山札をめくる瞬間のどきどき、場に積み上がっていくカードの厚み。これは、実物のある、手で遊ぶゲームならではの良さです。

ちゃぶ台ゲームズのゲームには、あんただれぇ?のように、もとになったゲームがあるものもあります。そういうゲームは、読み物の中でもとのゲームの名前を書くようにしています。あんただれぇ?を遊んで「楽しいな」と思ったら、ぜひもとになったナンジャモンジャも手に取ってみてください。

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