SHINOBIASHI 読み物
一局のふり返り
「6」の足跡を見ずに、6 ラウンド目を当てる
侍と忍者が実際にどう考えて動くのかを、1 ゲームを最初から最後まで追いかけて紹介します。攻略のコツで説明した考え方が、盤面の上でどう使われるのかを見てみましょう。
この一局は、解説のために組み立てた対局例です。侍の三人は侍1・侍2・侍3と呼びます。
盤面の呼び方
部屋の場所を言いやすくするため、列を左から「A〜E」、行を上から「1〜5」と呼びます。Excel のセルと同じ呼び方です。たとえば、ど真ん中の部屋は「C3」、右下の隅は「E5」です。
侍は部屋の角に立ちます。このページでは、侍の居場所を「B2・C2・B3・C3 の角」のように、周りの 4 部屋で表します。
また、攻略のコツで紹介した市松模様の考え方を使います。「A1」と同じ色の部屋を明るい部屋、もう一方を暗い部屋と呼びます。忍者は毎ラウンド必ず隣へ動くので、明るい部屋と暗い部屋を交互に移ります。
はじまり:侍の配置と忍者の潜伏
侍チームは、三人の見張る範囲が重ならないように散らして置きました。
- 侍1: A1・B1・A2・B2 の角
- 侍2: D1・E1・D2・E2 の角
- 侍3: A4・B4・A5・B5 の角
画面を受け取った忍者は、侍の位置を見て、誰も届かない部屋を探します。真ん中の C の列、3 の行、そして右下のあたりが空いています。忍者が選んだのはD4でした。
序盤(1〜3 ラウンド):手がかりなしの見回り
1 ラウンド目
侍にはまだ何の手がかりもありません。侍3が手近な「B4」を捜索しましたが、空室でした。侍1と侍2は、盤面の真ん中に近づくように 1 つずつ下へ動きます。
忍者は、侍2が近づいてきたのを見て、下の端のD5へ逃げました。
2 ラウンド目
侍1が「B3」、侍2が「E3」を捜索しますが、どちらも空室。侍3は右へ 1 つ動いて、B4・C4・B5・C5 の角に立ちます。
忍者の行き先は、侍3が届く「C5」か、隅の「E5」の二つだけになってしまいました。隅に入ると次の逃げ道が 1 つしかありません。忍者は危険を承知でC5へ進みます。
3 ラウンド目
侍3は、届く 4 部屋のうち「C4」を捜索。空室でした。じつは忍者はそのすぐ隣の「C5」にいたのですが、侍にはわかりません。侍2と侍1は、それぞれもう 1 つ盤面の内側へ寄せます。
忍者の行き先は「B5」か「C4」。どちらも侍3の届く部屋です。忍者は「さっき調べられたばかりの部屋なら、続けては来ないだろう」と読み、C4へ進みました。捜索されても、まだ通っていない部屋なら入ることができます。
4 ラウンド目:「1」の足跡が見つかる
侍3が先に「B5」を捜索して空室。続いて侍2が「D4」を調べると、「1」の足跡、つまり忍者が最初に潜伏した部屋が見つかりました。侍1は 1 つ下へ動きます。
ここから侍は、市松模様で忍者の居場所をしぼれるようになります。「D4」は明るい部屋なので、奇数ラウンドの忍者は明るい部屋、偶数ラウンドの忍者は暗い部屋にいます。
このとき忍者がいた「C4」は、侍3が届く暗い部屋でした。もし侍2が先に「1」を見つけていれば、侍3は暗い部屋にしぼって「C4」を調べられたかもしれません。手がかりが出そうな侍から先に行動する。順番ひとつで結果が変わる場面でした。
中盤(5〜7 ラウンド):足跡をつなぐ
5 ラウンド目
忍者は「C4」から、真ん中のC3へ動きました。行ける部屋はどちらも侍の届く範囲で、運にまかせた一手です。
5 ラウンド目の忍者は明るい部屋にいるはずです。侍1が届く明るい部屋は「B4」と「C3」の二つ。侍1は「B4」を選び、空室でした。二択を外します。侍2は「E3」を調べて空室。侍3は「C5」を調べ、足跡を発見しました。
「C5」は明るい部屋なので、忍者が通ったのは奇数ラウンドです。1 ラウンド目は「D4」、5 ラウンド目の今はそこにいなかったので、残るは3 ラウンド目。「D4」から 2 歩で「C5」へ来たことになります。
6 ラウンド目
忍者は、誰も届かないC2へ抜けました。
侍1が「C3」を捜索すると、また足跡です。「C3」も明るい部屋で、1 と 3 はもう埋まっているので、5 ラウンド目。3 ラウンド目の「C5」と 5 ラウンド目の「C3」の両方に隣り合うのは「C4」だけなので、4 ラウンド目は「C4」。そうすると 2 ラウンド目は「D5」に決まります。
見つけた足跡は 3 つだけですが、1〜5 ラウンド目の道すじがすべてわかりました。
次は 6 ラウンド目の居場所です。「C3」の隣で、まだ通っていない部屋は「B3・C2・D3」の三つ。侍2が「D3」を調べて空室だったので、候補は二つに減りました。侍3は真ん中へ寄せます。
7 ラウンド目:見ていない「6」がわかる
忍者は「C2」からD2へ動きました。
侍1が、6 ラウンド目の候補の「B3」を捜索すると、空室でした。足跡もないということは、忍者は一度もここを通っていません。残る候補は「C2」だけ。「6」の足跡を見つけないまま、6 ラウンド目の部屋がわかったのです。
7 ラウンド目の忍者は、「C2」の隣の明るい部屋、「B2・C1・D2」のどれかにいます。しかし、今の位置からはどの侍も届きません。侍2と侍3は、次のラウンドに届くように近づきました。
終盤(8〜10 ラウンド):追い込み
8 ラウンド目
忍者は、侍2の届かない上の端のD1へ逃げました。
侍2が「D2」を調べると足跡。7 ラウンド目は「D2」だったとわかります。8 ラウンド目の候補は、その隣の「D1・E2・D3」。侍3が「D3」を調べて空室だったので、残りは「D1」か「E2」です。侍1は上へ動きます。
9 ラウンド目
忍者の行き先は「C1」か、隅の「E1」。忍者はC1を選びました。
侍の考えでは、忍者がいるのは「D1」の隣なら「C1・E1」、「E2」の隣なら「E1・E3」。侍2が「E3」を調べて空室だったので、候補は「C1」か「E1」です。侍1は「C1」の周りが見える B1・C1・B2・C2 の角へ動きました。
10 ラウンド目:自分の足跡に囲まれる
「C1」の忍者には、もう行き先が一つしかありません。「C2」は 6 ラウンド目に、「D1」は 8 ラウンド目に通った部屋だからです。忍者はB1へ動くしかありませんでした。
侍の候補は、「C1」から来たなら「B1」、「E1」から来たなら「E2」か「D1」。侍1が「B1」を捜索し、忍者を見つけて侍の勝ちです。あと 1 ラウンドしのげば、忍者の逃げ切りでした。
この一局から学べること
侍の側
- 空室も手がかりになる。「6」の足跡は最後まで見つかりませんでしたが、「ここは空室だった」を積み重ねて 6 ラウンド目の部屋を当てました。
- 部屋の色で「何ラウンド目か」がわかる。「1」の足跡さえ見つかれば、ふつうの足跡も、明るい部屋か暗い部屋かで奇数・偶数ラウンドに分けられます。
- 行動の順番を考える。4 ラウンド目のように、先に手がかりを取ってから残りの侍が動けば、捜索の当たりやすさが上がります。
忍者の側
- 真ん中の部屋を早く使いすぎない。この忍者は 4・5 ラウンド目に「C4」「C3」を通り、後半に逃げ込める場所を自分で減らしてしまいました。
- 後半は自分の足跡が壁になる。最後は「C2」と「D1」という自分の通った部屋に道をふさがれ、行き先が一つになって捕まりました。
- 端へ追われたら終わりが近い。8 ラウンド目に上の端へ逃げた時点で、残りの逃げ道はほとんどありませんでした。
1 ゲームの記録
最後に、ラウンドごとの記録をまとめます。「忍者の居場所」は侍には見えていない、答え合わせの欄です。
| R | 忍者の居場所 | 侍の行動 | わかったこと |
|---|---|---|---|
| 1 | D4 | 侍3: B4を捜索(空室)/侍1・侍2: 移動 | — |
| 2 | D5 | 侍1: B3(空室)/侍2: E3(空室)/侍3: 移動 | — |
| 3 | C5 | 侍3: C4(空室)/侍1・侍2: 移動 | — |
| 4 | C4 | 侍3: B5(空室)/侍2: D4(「1」)/侍1: 移動 | 1 ラウンド目は D4 |
| 5 | C3 | 侍1: B4(空室)/侍3: C5(足跡)/侍2: E3(空室) | 3 ラウンド目は C5 |
| 6 | C2 | 侍1: C3(足跡)/侍2: D3(空室)/侍3: 移動 | 1〜5 ラウンド目がすべてわかる |
| 7 | D2 | 侍1: B3(空室)/侍2・侍3: 移動 | 6 ラウンド目は C2 |
| 8 | D1 | 侍2: D2(足跡)/侍3: D3(空室)/侍1: 移動 | 7 ラウンド目は D2 |
| 9 | C1 | 侍2: E3(空室)/侍1・侍3: 移動 | 候補は C1 か E1 |
| 10 | B1 | 侍1: B1を捜索 | 侍の勝ち |
同じ盤面でも、侍の順番や忍者の一手が違えば、結果はまったく変わります。ぜひ実際に遊んで、自分たちの一局をふり返ってみてください。