SHINOBIASHI 読み物
SHINOBIASHI ができるまで
プログラミング未経験から、AI と二度作った話
SHINOBIASHI は、プログラミングをほとんどしたことのない管理人が、生成 AI の手を借りて作ったゲームです。思いついたきっかけから、一度目の失敗、作り直して友だちに見せるまでを書きました。
SHINOBIASHI は、ボードゲーム「シティチェイス」を遊ぶ動画に影響を受けて作った個人の作品です。シティチェイスの作者・販売元とは関係ありません。
きっかけは、お笑い芸人の YouTube
はじまりは、さまぁ~ずさんの YouTube チャンネルでした。マユリカのお二人と一緒に「シティチェイス」というボードゲームを遊んでいる回があり、逃げる側と追う側が読み合う様子が、見ているだけでとても楽しそうだったのです。
「友だちみんなでやったら面白そうだな」と思いました。ただ、そのためにはボードゲームを買って、集まる場所に持っていく必要があります。スマホ 1 台で、思い立ったときに気軽に遊べたらいいのに。これが、自分でゲームを作ろうと思ったきっかけです。
「AI を使えば自分でもできる」と思っていた
管理人のプログラミング経験は、学生のころに少し触った程度です。それでも、ブラウザで遊ぶゲームならそれほど難しくはないだろうし、生成 AI に頼めば自分でも作れるはずだ、と考えていました。
最初に使ったのは Google の Gemini です。このときのゲーム名は「朧月夜の隠密」でした。
一度目:Gemini で作った「朧月夜の隠密」
実際に作り始めると、思っていたよりずっと手こずりました。つまずいたのは、主に次の 5 つです。
本物を遊んだことがない
実は、シティチェイスを自分で遊んだことはありません。動画とルールの説明を調べながら、Gemini に頼んで形にしていきました。机の上で遊ぶゲームを画面の中に移すとき、「誰の番に、誰が画面を見て、何をするのか」という進め方をどうするか。どこを元のゲームのままにして、どこを変えるか。ここでずいぶん悩みました。
見た目と操作感を言葉にできない
頭の中には「こんな感じ」というイメージがあるのに、それを言葉にして AI に伝えるのがとても大変でした。ボタンの大きさ、押したときの手ごたえ、画面の切り替わり方。どれも、うまく説明できないものは、思ったとおりには仕上がりません。
和風の雰囲気が伝わらない
元のゲームをそのまま写すのではなく、和風の雰囲気にしたいと考えていました。けれど、自分でもはっきりとは思い描けていない部分が多く、伝えたつもりでも、出てくるものはイメージと違うことがほとんどでした。
特に盤面を畳にしたいというのは、最初からやりたかったことです。Gemini も「盤面が畳である」ことは理解してくれていました。それなのに、できあがる盤は、なかなか畳の見た目になりませんでした。
どうしても「AI が作った感」が出る
もうひとつ悩んだのが、デザイン全体が、いかにも AI が作ったような見た目になってしまうことです。それを避けようと、頼み方を変えたり、細かく指定したりといろいろ試しました。けれど、どうしても「AI っぽさ」は消えませんでした。
直すと、また別の不具合が出る
ひとつ直すと、別のところがおかしくなる。それを見つけて直すと、また次が見つかる。この繰り返しで、なかなか「完成」と言える状態になりませんでした。
それでもなんとか遊べる形にして、Web 上に公開しました。自分で遊んだり、友だちに遊んでもらったりもしました。ただ、友だちの反応は正直いまひとつでした。
二度目:Claude で一から作り直す
しばらくして、Anthropic の Claude を有料で使い始めました。一度目の経験で、AI にどう頼めばいいかも少しずつわかってきていたので、直すのではなく、改めてちゃんと作り直そうと決めました。
作り直すにあたって、ゲーム名を「SHINOBIASHI(しのびあし)」に変えました。そして、一度目に伝えきれなかった見た目に、いちばん力を入れました。
- 画面全体を、和紙のような生成り色の紙に墨の文字で書いたような雰囲気にそろえた
- 盤面を、縁のついた青い畳の部屋が並んだ形にした
- 三人の侍を、朱・藍・山吹の 3 色で見分けられるようにした
- タイトル画面に、ちゃぶ台の上の盤で侍と忍者が向かい合う、切り絵風の絵を入れた
ルールも、遊んでみて迷ったところや説明が足りないところを直していきました。今のルールは遊び方のページにまとめています。
畳を見た友だちのひとこと
新しくなった SHINOBIASHI を、一度目に遊んでもらったのと同じ友だちに見せました。畳の盤面を見て、「デザインが良くなった」と言ってもらえたのが、とてもうれしかったです。最初からやりたかった畳の盤面が、ようやく形になって、ちゃんと伝わった瞬間でした。
作ってみてわかったこと
AI はたしかに、プログラミングができない人の代わりにコードを書いてくれます。けれど、どんなゲームにしたいのかを決めて、言葉にするのは自分の仕事でした。一度目にうまくいかなかったのは、AI の力が足りなかったからだけではなく、自分の中のイメージがまだぼんやりしていたからだと思います。
二度作ったことで、「何を作りたいか」をはっきりさせる大切さと、AI との付き合い方が、少しずつわかってきました。この経験は、このサイトに置いているほかのゲームづくりにも生きています。
きっかけになった動画のように、みんなで画面をのぞき込んで、わいわい読み合ってもらえたらうれしいです。